五木寛之さんの『白秋期』を読みました。
人生100年とし、青春・朱夏・白秋・玄冬の人生四期説で考えると、白秋期は50歳~75歳となります。
ちょうど自分は白秋期に入ったところで、この25年間をどう過ごすのかについて考える良い機会になりました。
この本の中で、鴨長明、夏目漱石、十牛図の話など気になるところがありました。
鴨長明は50歳で隠棲しましたが、人生50年の時代のことだから、今でいうなら最晩年の100歳前後にあたるそうです。
ついつい今の自分の感覚で50歳という年齢をとらえていましたが、実際は最晩年で、今でいう100歳前後だったと言われると、鴨長明はすごいエネルギーの持ち主だったんだなと思いました。
そして、鴨長明は隠棲しても都の様子をちょくちょく見に行っていたことを、十牛図のなかの「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」とあわせて考察されていておもしろいなと思いました。
夏目漱石の「則天去私」にあるニヒリズムを感じるということにも同感です。
世の中は自分の思い通りにならない。
なんとでたらめな世の中よ。(『世間虚仮』聖徳太子の最後の言葉。この言葉も五木寛之さんは好きですね。)
白秋期は人生の黄金期でもあります。
どんなふうに自分の実りを収穫するのか。
先人たちの言葉をかみしめながら、自分の実りを堪能していきたいなと思います。
少しずつ色々な本を読み返してみたいです。
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